チーム初安打初得点 大崎4番・調 甲子園のホームを踏み締める

【1回戦、福岡大大濠―大崎】2回裏大崎無死、調が左前にチーム初安打を放つ=甲子園

 第93回選抜高校野球大会第3日、大崎は福岡大大濠に1-2で競り負けた。
 大崎の4番調が記念すべき甲子園チーム初安打と初得点を記録。「(たくさんの人に)わざわざ応援に来ていただいたのに勝ちを届けられず悔しい」と敗戦の弁に終始したが、憧れの大舞台で非凡な打撃を披露した。
 相手エースは約30キロの緩急差を軸にしたプロ注目左腕。大崎打線は変化球を見極めて直球をいかに打ち返せるかと対策してきた。ただ、選手たちが「思っていた以上に伸びがあった」と振り返ったように、右打者へのクロスファイアをはじめ、全体的に力で押された。立ち上がりの遅球主体の配球もうまく変えられながら10三振を喫した。
 そんな中で輝いたのが調だった。スイングスピードは全国の強打者に劣らず、二回の初安打は一瞬で左前に到達。直後にチーム初盗塁もマークした。0-2の七回は1死から速球を捉えて中前打で再び出塁。日野中時代からバッテリーを組む坂本の中前打で「やっぱりうれしかった」と甲子園のホームを踏み締めた。
 最終打席は九回2死。冬が明けて量産していた一発が出れば同点の場面は「ランナーもいなかったので長いのを狙おうと思ったけど、差し込まれた」。中飛に倒れて無情のサイレンが響いた。
 3兄弟の末っ子で、上の兄は佐世保西ソフトボール部で日本一を経験。「何度も全国に出て活躍している兄ちゃんにも負けたくない。もっともっと振ってここに帰ってきたい」。本命は夏。次こそ大輪の花を咲かせてみせる。

 


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