【日韓戦】斉藤コーチ陽性で韓国側は「コロナ恐怖」の猛攻撃

神奈川県内で合宿を行っている日本代表

森保ジャパンが〝針のむしろ〟だ。日本サッカー協会は23日に神奈川県内で合宿を行っている日本代表の斉藤俊秀コーチ(47)が新型コロナウイルス検査で陽性判定を受けたと発表。選手と他のスタッフ全員の陰性が確認されたため日韓戦(25日、日産)は予定通り行う方針だが、かねて開催を疑問視していた韓国側に格好の攻撃材料を与えてしまった。

斉藤コーチの陽性判定を受けてオンラインで取材に応じた日本協会の反町康治技術委員長(57)は経緯を説明。斉藤コーチは宿舎に入った21日の検査では陰性だったが、22日の検査で感染が判明したという。本人は無症状で発熱などの体調不良はなく、現在は隔離措置が取られている。

代表活動開始前の検査で感染が判明したため、他の代表スタッフや選手に濃厚接触者はいないことが保健所から確認された。その後に行った検査では全員の陰性が確認されたため、日韓戦とカタールW杯アジア2次予選モンゴル戦(30日、フクアリ)は予定通り開催する方針。反町委員長は「予防しながら活動していく。前に進んでいくしかない」と強調した。

コロナ禍では細心の注意を払っていても誰もが感染するリスクがあり、協会側も迅速に対応したため責められるべきではないだろう。しかし注目を集める日韓戦を控えた今回はタイミングと〝相手〟が悪かった。

かねて新型コロナ禍での日韓戦開催に反対の世論が高まっている韓国メディアが一斉に報道。「OSEN」は「韓日戦のコロナ恐怖が現実化」、「スターニュース」も「超非常事態」などと扇動的に報じた。

さらに「スポーツソウル」は「濃厚接触者は本当にいないのか」と疑問を呈した上で、他の選手やスタッフが現時点で陰性でも今後感染が広まる危険性をこう指摘した。「斉藤コーチは森保一監督と緊密に協力する関係だ。日本代表チームが活動を準備しているのに、密接に接触しなかったことは常識的に納得しがたい。新型コロナは2週間の潜伏期間があり、陰性判定を受けても後日に陽性反応を見せることもある。実際に韓国代表チームもその経験がある」

こうしたことから「天地日報」は「韓日戦にも影響を与える恐れが出てくる」と報道。日本でもコロナ禍での日韓戦に否定的な意見も多く、協会の公式SNSには今回の発表を受けて「親善試合が政府や五輪のためなら日本サッカーは終わっている」などとファンから批判的な声が投稿されたほど。試合が目前に迫る中、開催中止気運が高まるのは確実だ。

このまま日韓戦を無事に終えたとしても、試合後に韓国側で感染者が出るようなら日本への猛バッシングは避けられない。新型コロナの感染再拡大の恐れがある中で開催を後押しした日本政府にも批判の矛先が向くことになり、スポーツ界の枠を超えた大問題に発展する可能性も否定しきれない。

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