クラフトビールで壱岐を盛り上げたい 焼酎蔵改装、醸造始める

クラフトビールの醸造を始めた原田社長=壱岐市勝本町、原田酒造

 1984年まで焼酎や日本酒を製造し、現在は酒販売業を営む長崎県壱岐市勝本町の原田酒造が、以前焼酎と日本酒を醸造していた蔵でクラフトビールの醸造を始めた。屋号は「ISLANDBREWERY(アイランドブルワリー)」。24日に初仕込みを終えた。原田知征社長(45)は「クラフトビールで島を盛り上げたい。生まれ育った勝本の商店街を活性化させたい」と意気込んでいる。
 原田酒造は商店街の中ほどに位置する老舗で、原田社長は5代目。84年に6軒の酒蔵で壱岐焼酎協業組合(現、壱岐の蔵酒造)を設立したのに合わせ、単独での酒製造を止めた。原田社長は2015年10月から約3年間、壱岐の蔵酒造でも社長を務め、新商品開発などに携わった。
 原田社長がクラフトビール造りの準備を始めたのは約2年前。島を盛り上げる一助になりたいと考え、実家である蔵を改装し、酒造りを復活させる決意をした。現在、従業員は1人。ビールの種類は複数製造する予定。醸造所の横にクラフトビールが飲めるタップルームを設置し、観光客らを商店街に呼び込む仕掛けをつくる。
 原田社長は「県内には以前、クラフトビールの醸造所が何軒かあったが、現在はなく、長崎県は日本で唯一クラフトビール醸造所がない都道府県になっていた」とし、4月中の販売開始を目指す。島の小さな醸造所の挑戦が始まった。

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