【新型コロナ】コロナで宴席激減、花柳界支援を 箱根・湯河原の芸者ら神奈川県に要望

武井副知事(右端)に要望書を提出する箱根と湯河原の芸者たち=県庁

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で温泉旅館などでの宴席が激減しているとして、箱根と湯河原で働く芸者らが25日、神奈川県庁を訪れ、「伝統文化の花柳界が存続の危機にある」と訴え、県などに財政的な支援を求めた。

 黒岩祐治知事と嶋村公県議会議長あてに要望書を提出したのは、箱根湯本芸能組合と湯河原芸妓屋組合。いずれもコロナ禍で宴席に呼ばれる機会が激減しており、昨年の売り上げは例年の約2割という。

 箱根湯本芸能組合副組合長の松芳さんは「芸者たちはパン店や旅館でアルバイトするなどしてどうにか生活している。コロナ前は約150人が登録していたが今は120人ほど。花柳界存続のためには支援が必要」と強調。財政的な支援のほか、イベントなどでの活躍の場の提供も求めた。

 武井政二副知事は「時短営業要請に伴う事業者支援の拡充を国に求めているが、県独自にできることも検討している」と話した。

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