スーパークレイジー君 当選辞退迫った元選管幹部の停職1か月処分に「直接の説明や謝罪は来ていない」

スーパークレイジー君

今年1月の埼玉・戸田市議選で当選した歌手のスーパークレイジー君(34)に選挙管理委員会の事務局長(当時)が当選を辞退するよう圧力をかけた問題で26日、進展があった。同市は元事務局長に停職1か月の懲戒処分を下したが、クレイジー君は複雑な心境だった。

クレイジー君は深夜に事務局長に呼び出され、「子供たちを悲しませるな」「ごめんなさいすればいい」などと遠回しに辞職を勧告された。これに怒ったクレイジー君は局長とのやりとりをSNSに公開し、明るみに出た。選管委員長は「不適切な言動があった」として、事務局長を異動させていた。

市の懲戒委員会を経て、26日付で「当該職員の行為は、職務上の義務に違反するものであり、公務に対する信頼を著しく傷つけた」として、元事務局長の男性職員を停職1か月とした。同日の市議会でも菅原文仁市長は「今後はこのようなことがないよう職員の綱紀保持に努めてまいります」と報告した。

クレイジー君は取材に「相変わらず市や選管から直接の説明や謝罪は来ていないが、事務局長の処分は複雑です。停職処分としては最大3か月あるという。1か月でも多いか少ないかは分からないが、重い方ですよね」と言葉少なだ。

出馬にあたって、クレイジー君は選挙前からこの事務局長に手続きで相談し、懇切丁寧に対応してもらったことで、感謝していた。ただ、辞職勧告を受けたことは、納得がいかず、自身の訴えがきっかけでの処分なだけに「複雑」というワケだ。

一方、怒りが収まらないのは、クレイジー君の居住実態を巡る当選無効を求める異議申し立ての調査だ。目安とされた1か月の期間は過ぎているが、選管側は「居住実態の有無を決定するための調査や証拠物件の収集にさらに時間を必要とするため」と決定時期は未定とし、いまだ調査中だ。

クレイジー君は「選管はクロにしたいが、クロという材料がないから遅いんです。僕がいくらシロですと言っても意味がない。今回のいろいろの問題は、戸田市の行政の氷山の一角」と話した。

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