【新型コロナ】「第4波」へ変異株で病床逼迫懸念 病院関係者「療養期間長期化」 神奈川

神奈川県庁

 新型コロナウイルスを巡り、神奈川県は30日、県感染症対策協議会を開き、県内でも感染確認が続いている変異株への対応を議論した。出席した病院関係者からは、変異株感染者の療養期間が長期化しているとし、「第4波」に備える上で病床逼迫(ひっぱく)への懸念が示された。

 県によると、県内の変異株感染者は29日現在で計57人。年代別では30代が23%、40代が21%、20代が18%─の順で高く、80代以上はいない。93%は軽症か無症状だが、発症日から療養終了までの平均日数は21.6日だった。変異株感染者は原則、個室で入院としている。

 通常のコロナ患者は退院基準を発症から10日間経過などとしており、病院関係者は、PCR検査で2回の陰性確認を求めている変異株感染者の退院基準の見直しを要望。一方、厚生労働省の関係者は「現時点では10日間で感染性がなくなるというエビデンス(証拠)はない」としつつ、陰性確認以外の退院基準を早期に示す考えを示した。

 協議会では、感染者を年齢や基礎疾患の有無などでスコア(点数)化する県独自の入院基準についても議論。出席者からは基準の一部緩和を求める声もあり、県は検証を進めるという。

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