【スターダム】デビュー3年でワールド王者に 林下詩美が明かす公私の「未来予想図」

王者になった詩美が本紙インタビューで今後の目標を語った

【The インタビュー~本音を激白~(25)】女子プロレス界の盟主「スターダム」をワールド王者としてけん引するのが林下詩美(22)だ。ビッグダディこと林下清志氏(55)の三女としてデビュー前から注目された逸材は、わずかキャリア3年目にしてトップレスラーの仲間入りを果たした。連載「The インタビュー」第25回では、これからの女子プロ界を背負う若きチャンピオンが、公私にわたる「未来予想図」を明かした。

――デビュー3年目に突入。昨年11月にワールド王者になった

詩美 岩谷麻優(28)という存在からベルトを取ってからの成長は、すごく大きいのかなと自分では思います。赤いベルトは団体最高峰のものなので。私がトップとして…という自覚が目覚めました。

――団体を背負う存在として目指すものは

詩美 スターダムに入ったのも紫雷イオさん(30)と試合がしたくてという理由。大好きで尊敬しているイオさんが持ってた赤いベルトを巻けたので、そんな人になれるように赤いベルトとともに歩んでいきたいです。

――近年は大会場での試合も増えた

詩美 日本武道館や横浜武道館のような会場でできるのは私としてもスターダムとしてもすごくうれしいこと。大きい舞台でやっているスターダムをもっと見てほしいと思うようになりました。

――「ビッグダディ三女」と呼ばれる

詩美 デビュー当時はそっちでしか見られないことが多くて「名前負けしたらダメだ」という気持ちが大きくて、誰よりも練習をしていた自信があります。2年目くらいから「ビッグダディ三女じゃなくてプロレスラーとして見てほしいな」という気持ちが強くなって、あまり言わないようになってたんです。でも今は自分で「ビッグダディ三女」と言っても、プロレスラー林下詩美の存在が勝つ自信が出てきたので。最近はあえて言ったりもしてます。

――色眼鏡で見られがちな肩書はレスラーの価値で乗り越えたと

詩美 むしろそれで知ってくれる人もいるので。その言葉がキッカケで、プロレスやスターダムを知ってくれるなら全然ありかなと。赤いベルトを取った今の私ならって自信を持って言ってます。

――最近の家族交流

詩美 すごい応援してくれてます。日本武道館はお姉ちゃんの旦那とか息子とか入れたら15人くらい来てくれました。

――そろそろ詩美も結婚を…みたいな話は

詩美 ちょっと前まではお父さんにも「詩美もそろそろそういう相手できてもいいんじゃない?」って言われてたんですけど、最近は「誰でもいいから早く連れてこいよ」みたいなことは言われます。今は、いつかできたらいいな…くらいにしか考えてないですね。

――理想の男性は

詩美 私がすごく子供なので、年上で大人で。でも私は家族の時間を大事にしたいので、そっちを優先しても怒らない人がいいですね。

――有名人で言えば

詩美 えええ…テレビあまり見ないからな。誰だと思います?

――ダディみたいな人はどうか

詩美 あ、昔は思ってたんですよ。一緒にいて楽しいし、子供思いで、みたいな。でも最近は「ちょっと元気すぎるな」と思うので、もうちょっと落ち着いた人がいいなと。ちょっと静かになった清志さんくらいだったらいいですね(笑い)。

――大家族がいい

詩美 結構そう聞かれるんですけど…。大家族もすごい楽しい人生だったのでいいんですが、10人とかはいいかなって思うので。2、3人いたらいいなって思います。

――レスラーとしての今後の目標

詩美 新しい時代のスターダムを引っ張っていきたいです。私がファンの時は女子プロレスといえば紫雷イオさんと思ってたので、ファンの人に「女子プロレスといえば林下詩美だよな」って思ってもらえる選手になりたいです。

――イオが活躍しているWWEへの興味は

詩美 最初は本当0%で考えてなかったんですけど、最近は大きい舞台でやってみたい気持ちもちょっとは芽生えてきました。3%くらい。年に何回か海外で試合をやってみたいですけど、基本はスターダムでやりたいですね。今はコロナで難しいですが、マジソンスクエア・ガーデン(米ニューヨーク)とかでスターダムができたら最高ですよね。

――戦いたい選手

詩美 やっぱりイオさんはデビューの時からの目標で、いなくなってしまってからは私の中の夢のカードなので。雑誌の表紙になるとか、WWEに行くよりも「イオさんと試合をする」ことが大きい夢です。日本に戻ってきてもらって、最初に試合をしたいですね。できたらシングルがいいですけど、帰ってきて最初の試合をぜひ私とやってほしいです!

【4・4にV4戦】詩美は4月4日横浜武道館大会でビー・プレストリー(25)とのV4戦に臨む。元ワールド王者の実力者との頂上決戦に向けて「全力を出してもらったうえで私がこのベルトを防衛して『ショッパイ』しか言えないビーには『ゴメンナサイ』の日本語を教えてやりたいと思います」と意気込む。その一方、王者としては正念場。横浜決戦のメインはゴッデス王座戦(王者・舞華、ひめか組VS挑戦者・ジュリア、朱里組)に明け渡し、同戦は日本武道館大会に続きセミに“降格”している。屈辱をバネに、団体最高峰王座の誇りを取り戻すことが課題だ。

☆はやしした・うたみ 1998年9月14日生まれ。鹿児島・奄美市出身。林下清志さんの三女で幼少期よりテレビ朝日系「痛快! ビッグダディ」に出演。父の影響で柔道を始め、2018年3月にスターダムに入門。同年8月のジャングル叫女戦でデビューを果たす。1年目からトップ戦線で活躍し、同年度プロレス大賞新人賞を受賞。20年11月には団体最高峰のワールド・オブ・スターダム王座を戴冠した。必殺技はハイジャックBTボム。166センチ、65キロ。

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