2度目の開幕投手・ダルビッシュ 勝利投手の権利目前で2被弾KO

交代を告げられマウンドを降りるダルビッシュ(ロイター=USA TODAY)

メジャーの2021年シーズンが1日(日本時間2日)に開幕した。4年ぶり2度目の開幕投手を務めたパドレスのダルビッシュ有投手(34)は本拠地でダイヤモンドバックス相手に白星にあと一死と迫りながら、2被弾を含む8安打4失点だった。

新天地での初登板、レンジャーズ時代の2017年4月3日以来となるメジャーでは2度目の開幕投手は悔いの残る結果となった。6―1とリードが5点に広がった直後の5回に“まさか”の事態が待っていた。

一死走者なしから既に2安打を許していたマルテに87マイル(約140キロ)のカットボールを中越えに放り込まれ、直後のウォーカーにはこの日初めての四球。二死までこぎつけたものの、初回に先制打を許していたカブレラに97マイル(約156キロ)直球を捉えられ、右越えに2ランを運ばれたところでお役御免となった。

18年のサイ・ヤング賞投手であるスネル、昨季の開幕投手を務めたパダックらがいる中での大役指名には、ダルビッシュも「まさかこの年になって任せてもらえるとは思わなかったし、本当に光栄に思う」と意気に感じていた。オープン戦最後の登板となった3月25日(同26日)のレンジャーズ戦では3回3安打4失点と不安を残したが、それも「完璧にシーズンを迎えるのは気持ち悪いもの。悪いものを全部出したというのは良かった」と前向きに捉えていた。5回途中4失点での降板は本人も不本意だろう。降板後には2番手の左腕ヒルも2被弾で3点を献上し、この回一挙6失点で“楽勝ムード”も霧散した。

立ち上がりこそ初回二死一、二塁からカブレラの左前適時打で先制を許したダルビッシュだが、2回以降は毎回のように走者を背負いながらも要所を締める投球で試合を支配していた。

昨季のナ・リーグ最多勝右腕の力投に野手も援護を惜しまず、2回には安打と2四球で一死満塁と相手先発バムガーナーを攻め立て、オフにダルビッシュとともにカブスから移籍してきた女房役のカラティニが2点打を左前へ。3回には一死走者なしから4番ホスマーと5番マイヤーズが2者連続本塁打をプレゼント。さらに一死二塁からカラティニの3打点目となる適時打でリードを広げ、ダルビッシュをもり立てた。

打線は好調で6―7の6回にはホスマーの適時打で追いつき、7回にはプロファーの犠飛で勝ち越しただけに、勝利投手の権利を目前にした5回の“炎上劇”が悔やまれる。

ダルビッシュの話「球は球速を見てもすごく走っていたと思うんですけど、やっぱり全体的に自分の思ったようにコントロールができてなかったので、我慢の投球が続いていました。体力的には問題なかったですけど、自分の力不足です」

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