今季初登板の大谷翔平 「2番・投手」なら1903年以来118年ぶり

日本時間4月5日、エンゼルスの大谷翔平がホワイトソックス戦で今季初登板初先発する。DH制を使用できる試合であえてDH制を使わず投手が打席に立ったのは、1976年のケン・ブレット(当時ホワイトソックス)による2試合以降では、2009年のアンディ・ソナンスタイン(当時レイズ)と2016年のマディソン・バムガーナー(当時ジャイアンツ)の2人だけ。ただし、ソナンスタインは打順表のミスによるものであり、実質的にはバムガーナーだけである。

そのバムガーナーは2016年6月30日のアスレチックス戦、敵地オークランド・コロシアムでDH制が使用できるにもかかわらず「9番・投手」でスタメン出場。3回表の第1打席で二塁打を放ち、一挙6得点のビッグイニングの口火を切ると、投げては7回途中4失点の粘投。チームは12対6で勝利し、バムガーナーは勝利投手となった。

しかし、バムガーナーはDH制を使用しなかったとはいえ、普段のナ・リーグでの試合と同様に9番打者としてスタメン出場したに過ぎない。メジャーリーグ公式サイトのサラ・ラングスによると、1901年以降「2番・投手」でスタメン出場して他のポジションを守らなかったのはわずか2人だけ。1902年のワッティ・リー(当時ワシントン・セネタース)と1903年のジャック・ダンリービー(当時カージナルス)であり、もし大谷が「2番・投手」でスタメン出場して他のポジションを守らなければ118年ぶりの珍事となる(2人のほかには1902年に当時レッズのジェイク・ベックリーが「2番・投手」でスタメン出場し、途中から一塁の守備に就いた例がある)。

また、ア・リーグの先発投手がア・リーグのチームを相手に本塁打を放ったのは1972年のレギュラーシーズン最終日のロリック・ハリソン(当時オリオールズ)が最後。1972年というのはア・リーグでDH制が導入される前の最後のシーズンであり、DH制導入後、ア・リーグの先発投手がア・リーグのチームを相手に本塁打を放った例はない。今後も様々な記録が掘り起こされることになるだろう。

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