二刀流は今季限り? それともMVP? 米ESPNが「大谷討論会」

リアル二刀流でいきなり本塁打を放った大谷(ロイター=USA TODAY)

米スポーツ専門局ESPN(電子版)は4日(日本時間5日)にエンゼルスの大谷翔平投手(26)について「ア・リーグMVPか二刀流の終焉か? 2021年の大谷の可能性を討論する」と題した特集を組み、4人の専属記者が激論を交わした。

最初のテーマは「マウンドでの成功はいかに」。バスター・オルニー記者が「チームのためには20回から25回の先発をして120イニング以上を投げ、防御率が4・50以下を必要とする」と条件を挙げると、他の記者もほぼ同意見。ブラッドフォード・ドゥーリトル記者は「大谷がそれくらい投げれば、6人で組むエンゼルスのローテーションは余裕を持って回せられる」と付け加えた。

次のお題は「打席での成功はいかに」。デービット・ショーエンフィールド記者は「どれだけ打席に立てるかは、登板前後の試合でチームがどの程度休養を与えるかと、左投手に対しての起用方法になる」との考えを提示。オルニー記者は「300打席、OPS(出塁率+長打率)が8割以上、20本塁打なら成功だろう」と具体的な数字を挙げた。

続いては「もし両方で役割を果たせたら、どれくらいの価値があるか」。オルニー記者は「マイク・トラウトが信じていること。投手で10勝、打者で30本塁打ならMVP候補」と断言。アルデン・ゴンザレス記者は「彼は野球を変えられる。これまでは両方の才能がある選手でも、どちらか一方を選択したが、大谷が成功すれば変わるかもしれない」と野球界の未来を期待した。

「もし監督だったら大谷をどのように活用するか」との質問に対しては、ドゥーリトル記者は「登板時も打席に立たせる。それが彼の才能を最も引き出す方法かどうかわからないが、このような選手がいることは野球界にとって良いことだ」とリアル二刀流を支持。一方で、オルニー記者は「もし今季に故障したら、打撃に集中させる。救援での起用はあるかもしれないが」、ゴンザレス記者は「もし二刀流が機能しなければ、来季は一塁などのポジションを考える」と二刀流は今季限りとの見解だ。

最後は「21年のポストシーズンで登板と打席はあるか」だ。オルニー記者の「大谷がオープン戦で見せた結果が本物ならエンゼルスは地区優勝できる」と予想すると、ゴンザレス記者も賛同。しかし、ショーエンフィールド記者は「エンゼルスはワイルドカードの可能性があるものの、一発勝負の試合で大谷は登板しない」、ドゥーリトル記者は「エンゼルスを10月に見るのは驚きでこそないが、私は予想しない」と否定的だった。大谷はメジャーの歴史を変えるシーズンにすることができるか。

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