【競泳】入江陵介が五輪4大会連続代表入り コロナ禍で考えた「スポーツの力」とは…

実力を見せつけた入江

競泳・日本選手権兼東京五輪代表選考会第3日(5日、東京アクアティクスセンター)、男子100メートル背泳ぎ決勝は入江陵介(31=イトマン東進)が53秒13で優勝。派遣標準記録を突破して4大会連続となる五輪出場を決めた。

経験豊富な31歳も〝一発勝負〟の選考会にはいつもと違う緊張感があったようだ。「何度やっても慣れないもので、やっぱり緊張して心臓バクバクしているような時間がすごく長かった」。自信を持って臨んだ今大会、同種目は目標タイムを「52秒台真ん中」に設定しながら「ベテランとして恥ずかしいんですけど、雰囲気に飲まれてしまった」と語った。

それでも大事なレースで結果を残すと「ようやくゆっくり寝られる」と、安堵の表情が広がった。

この日は松元克央(24=セントラルスポーツ)が男子200メートル自由形で日本新記録をマークし、前日は白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が女子400メートルメドレーリレーの代表入りを決めた。そんな若手選手の存在が刺激となり「自分も素晴らしい選手たちと一緒のチームにいたいという気持ちが強くなった」という。

そして、自身は年長選手として「平均年齢を上げてしまうのかなと思う部分はあるんですけど、しっかりと自分自身の経験を若い世代に伝えていくことが役目」と言いきった。

新型コロナ禍で迎える東京五輪。入江は「スポツで何ができるかと問われると正直分からない部分もある」と話す。ただ、一方で「僕自身、璃花子の泳ぎを見て水泳選手だけでなく一人間としてすごく勇気づけられた。改めてスポーツの力とは、こういうところなんだというのを気づかせてもらったので、そういった気持ちを持ってもらえるようなレースを大切にしたい」との思いもある。

200メートル背泳ぎでも代表入りを目指す入江は「(予選、準決勝、決勝の)残り3本頑張りたいと思います」と気を引き締めた。

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