競泳・日本選手権兼東京五輪代表選考会第5日(7日、東京アクアティクスセンター)、白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が、女子100メートル自由形準決勝を54秒36の全体1位で第6日の決勝に進出した。
前半50メートルを7番手で折り返した池江だったが、後半に入ると一気にペースを上げてトップ立った。その後はリードを保ったまま1着でフィニッシュ。予選の54秒30とほぼ変わらないタイムにも「想定内。前半はものすごく遅いけど、自分がやりたいレースができている」と納得の表情だった。
想像以上の疲労を味わっていた。3日前に100メートルバタフライで優勝を飾った池江は「レース後は今まで一番ダメージが大きかった」と振り返る。
また、これまでのキャリアでは、決勝前のウオームアップやクールダウンを重視していなかったようだが「18歳のころのようには上手くいかないなと痛感した。レース前後のケアがすごく大事だなと思うようになった」と明かした。
そんな池江にとって100メートル自由形は「個人的に一番楽しみ」と話していた種目。今年1月の北島康介杯でマークした55秒35を現時点で1秒縮め、すでに400メートルリレーの派遣標準記録(54秒42)を上回っている。
「今回の目標が(リレー要員となる上位)4人に入れたらと思っていたけど、予選から予想以上に速かったのでこの感じで行けば53秒台はマストで出るかな」
同種目の派遣標準記録は53秒31。本人は個人の代表入りについて「厳しいかもしれない」としつつ「王座奪還はまだ先になるかなと思っていたけど、しっかり奪還できるように頑張りたい」と力を込めた。
今大会“2冠”に向けて視界良好だ。