【新日本】「いいんだね、やっちゃって」永田の殺気が名ゼリフで蘇った モクスリーの対戦要求を受諾

永田は狂犬退治に自信をみなぎらせる

これぞミスターの真骨頂だ。新日本プロレスの永田裕志(52)が、IWGP・USヘビー級王者ジョン・モクスリー(35)からの対戦要求を受諾した。唐突に次期挑戦者に指名された格好だが、「いいんだね、やっちゃって」の名ゼリフとともに同王座挑戦を決意。王者の本拠地である米国マットへ乗り込むことも辞さない覚悟を見せた。

青天のへきれきとも呼ぶべき対戦要求だった。2016年6月にNEVER無差別級王座を失って以降シングル王座戦線から遠ざかっている永田が、接点のなかったモクスリーから突然、次の挑戦者に指名されたのだ。

いつ何時、誰の挑戦でも受ける新日本で28年以上戦ってきたミスターの返答は明快だ。「見る目があるよ。しっかりトレーニングを続けて試合ができる人間を見分けるのが鋭いね。面白い選手だな、躍動感あるファイトしてるなって感じで興味はあった。いつかやりたいけど、俺にチャンスはないかなと思ってたよ」と不敵な笑みで受諾の意思を示した。

コロナ禍の影響で米国を本拠地とするモクスリーとの対戦実現のハードルは低くない。だが「場所は米国だろうが、日本だろうがどこでもいい。断る理由はないし、こっちから行くのも可能だし。俺は次のシリーズ(10日、横浜武道館で開幕)に入ってねえしな」とした上で「いいんだね、やっちゃって」と、ただならぬ殺気を漂わせた。

ミスターがこの言葉を口にしたのは2004年1月4日の東京ドーム大会前。一度はWJに移籍しながらも、再び新日マットに出戻った佐々木健介との一戦に向けて放った伝説の名ゼリフとして語り継がれる。このタイミングで口をついたのは、本気モードに突入した証しだろう。となればKENTA(40)が2月に挑戦した「NJPW STRONG」の舞台、もしくは王者のホーム「AEW」での王座戦が浮上しそうだ。

モクスリーからは「あんたのリボルバーを持って来い」と挑発された。永田は「リボルバーはしっかり持ってるけど、男に使うもんじゃなく極上の金星(美女)に使うもの。俺が戦うときに使うのは拳であり、ヒジであり、ヒザであり、体一つだよ」と52歳になっても現役バリバリであることを強調した上で「凶器なんて必要ない。肉体がより強い凶器だってことを試合で分からせてやろうかなと。ストロングスタイル? そう取ってもらって構わないよ。本物を見せてやりますよ」と闘志を燃やした。

狂犬の信条とも言えるバイオレンスファイトも望むところだ。「テクニックを超えた殴り合い、蹴り合い…俺的にはそっち方面の戦いに行きたくないと思ったら老けてきた証拠だから。この年になってもそういう戦いが大好きでしょうがない。俺の健在ぶりを証明するところかな」。異色対決が日米で注目を集めることは間違いない。久々に闘志に火がついたミスターが、ベルト奪還の使命を背負い出撃する。

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