「県内のおいしいお茶を楽しんで」新芽青々 そのぎ茶初摘み

一番茶を収穫する近藤さん=東彼杵町彼杵宿郷

 長崎県内最大の茶どころ、東彼東彼杵町で9日、「そのぎ茶」の一番茶の初摘みが始まった。平年より3日ほど早く、八十八夜の5月1日ごろにピークを迎える。
 同町では261戸が391ヘクタールで茶葉を栽培。昨年は県内の63%に当たる311トンの荒茶を生産した。お茶の日本一を決める全国茶品評会蒸し製玉緑茶部門では、4年連続で同町の生産者が日本一の農林水産大臣賞に輝き、知名度も向上している。
 彼杵宿郷の生産者、近藤徳重さん(33)の茶畑(30アール)では、霜が降りるのを防ぐ黒い被覆材をはがすと青々とした新芽が現れ、専用の機械で約千キロを摘み取った。同町によると今年は霜害などもなく、順調に生育しているという。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、品評会向けの手摘みや新茶を売り出すそのぎ茶市は昨年に引き続き中止する。近藤さんは「茶農家にとっても不安な1年だったが無事に一番茶が収穫できてうれしい。自宅で過ごす時間に、ぜひ県内のおいしいお茶を楽しんでほしい」と話した。
 6月中旬ごろから二番茶を収穫し、町全体で計約385トンの生産を見込む。

© 株式会社長崎新聞社