西海市長選告示 新庁舎を建設「市を改造」 田崎候補、継続訴え「未来ある市に」 杉澤候補、人口減対策「大人の責務」 岩本候補

出陣式で気勢を上げる支持者=11日、西海市内

 11日告示された西海市長選は、現職に2新人が挑む三つどもえの構図になった。それぞれが重点政策を掲げ、市政の継続か転換かを訴える。新型コロナウイルス「第4波」への警戒が高まる中、三者三様の構えで論戦を交わしている。
 組織に頼らない選挙を展開する新人の田崎耕太候補(38)は、西彼町の運動場に支援者らの車を集め「ドライブイン出陣式」で第一声を上げた。
 集結した車を前に新庁舎建設と市の核づくりを主張。基幹産業としての農林水産業の振興や、将来への投資として、県内最高水準の教育実現を説き「しっかりと柱をすえ、西海市を大胆に改造することが求められている」と力を込めた。
 現職の杉澤泰彦候補(68)は出陣式を市内4カ所に分散。西彼事務所には国会議員や県議、市議らが出席し、組織力をうかがわせた。
 昨年度の市民アンケートでは、市の政策に満足している割合が就任前と比べ、10ポイント改善したとし、継続を訴え。脱炭素社会のモデル地区づくりや、地域医療などの課題に取り組むと強調。「みなさんと未来ある西海市をつくりたい」と語り、選挙カーに乗り込んだ。
 草の根選挙を展開する新人の岩本利雄候補(78)は、支援者らを前に西海町のグラウンドで第一声。「人口減少にブレーキをかけるのが、私も含め大人たちの責務」と熱弁。
 ふるさと納税で財源を増やし、子育てにかかる経済負担軽減や企業誘致、旧大瀬戸町時代からの懸案、松島架橋にも全力を傾けると強調。「勝つために、全力で最後まで頑張る」と決意を示し出発した。
 自営業の男性(73)は「現職と何が違うのか。政治姿勢を確かめに来た」と新人候補の決意表明に聞き入った。生活に直結する政策を聞きたいとの声も。子育て中の会社員女性(38)は「生活が市内で完結する環境をつくれば、雇用も生まれる」と注文。介護職の女性(31)は「コロナワクチン接種など、しっかり進められる人を選びたい」と話した。

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