【NBA】八村にブレークするきっかけになるプレーを期待 スリーポイントをノーミスで!

八村(左)は調子の波が課題だ(ロイター=USA TODAY)

【KJ松井のCatch&Shoot(62)】米プロバスケットボールNBAワシントン・ウィザーズの八村塁(23)は先週、右肩の張りを理由に2試合欠場した。復帰後はゴールデンステート・ウォリアーズ戦で22得点するなど影響は感じさせない一方で、次の試合では6得点にとどまるなど調子の波がある。その八村に対して、本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(35)は「ブレークするきっかけになるようなプレーをして」と奮起を求めた。

八村選手の欠場が発表されたのは試合当日でしたし、スコット・ブルックス監督(55)が「欠場は1試合になるか5試合になるかわからない」と言っていたので最初は心配しました。利き腕側なのでシュートに影響がないかと気がかりだったのですが、ウォリアーズ戦(9日=日本時間10日)で22得点したのを見ると大丈夫なようですね。

ですが、翌日のフェニックス・サンズ戦(10日=同11日)では6得点で、調子の波があるのが気になります。今後の八村選手にはさらなる成長のために「あの時の〇〇をきっかけにブレークした」と言われるようなビッグプレーをやってくれることを期待したいです。具体的にはスリーポイントシュートを1試合で5本とか6本、すべて決めて「手が付けられない」と相手に思わせること。

今シーズンの平均得点が14点ほどなので、スリーポイントシュートを5本決めたら30点ぐらい取ることになります。若い選手には、こうした転機になるビッグプレーがあるものです。

今シーズンのドラフト1位だったアンソニー・エドワーズ(19=ティンバーウルブズ)は、渡辺雄太選手(26)の頭越しにダンクを叩き込んだ2月のトロント・ラプターズ戦をきっかけに平均得点を大きくアップさせています。

日本でも馬場雄大選手(25)が、2年前にBリーグ(当時はアルバルク東京所属)で絶好調の時がありました。その年の夏にNBAのサマーリーグに挑戦。秋からは下部のGリーグに参加して、今シーズンはメルボルン・ユナイテッド(オーストラリア)に所属するなど、海外へ羽ばたくきっかけになりました。

八村選手は先月27日のデトロイト・ピストンズ戦で「プレー・オブ・ザ・デー」の2位に選ばれるダンクをしましたが、さらなるビッグプレーを期待しています。

☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。

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