【NBA】八村が3戦連続ゼロのアシストを増やせば…チームは低迷脱出へ

八村(左)は20得点を記録したが、アシストは「0」だった(ロイター=USA TODAY)

【KJ松井のCatch&Shoot(59)】米プロバスケットボールNBAでワシントン・ウィザーズの八村塁(23)は21日(日本時間22日)のブルックリン・ネッツ戦で、今シーズン最長となる40分13秒の出場で20得点を挙げた。本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(35)は八村のチーム内での“序列”が上がっていると評価したが、チームは106―113で敗れて15勝26敗。低迷脱出へ、八村とチームの当面の課題とは――。

八村選手はネッツ戦がNBA通算82試合目。通常ならレギュラーシーズンは82試合(新型コロナウイルス禍で開幕が遅れた今シーズンは72試合)なので「節目」とも言える試合でした。

チーム初得点をダンクで決めるなど11本打ったシュートは2本しか外さず。いつもは上体が力んでいることが多いスリーポイントシュートを軽く、楽に打てていました。

この試合では桜をデザインしたシューズでプレー。会場入りもSNSで「自分の魂、ルーツ、カルチャーとプライド」と告知した桜デザインの着物をまとっていました。その試合で恥ずかしいプレーはできないですし、相手が強豪のネッツということで気合が入っていたのでしょう。

最近は平均して30分超の出場と、プレータイムが長くなっています。それはラッセル・ウエストブルック(32)から見た“序列”が上がっていることが理由です。

ウエストブルックからすると、攻撃の第1オプションはブラッドリー・ビール(27)。そして第2オプションに八村選手が上がってきています。ネッツ戦の最初のダンクもウエストブルックのアシストでしたし、試合で早めに得点させようとしています。

これを勝利につなげるために、八村選手はネッツ戦を含め3試合続けてゼロだったアシストをもっと増やしたいです。今は少なすぎ。シュートを打つだけとはならないようにしたいですね。

これはチーム全体のことですが、ネッツ戦では5点ビハインドの残り24秒でウエストブルックがスリーポイントシュートを外した後、残り3・2秒でギャリソン・マシューズ(24)がファウルで相手を止めるまで全員が中途半端な動きをしていました。

1月31日には同じネッツ相手に、残り12秒で5点負けていた状況から逆転勝ちしているのですから、勝利を増やすためにはチーム内の意思統一をしっかりすることが必要ですね。

☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社