大谷の192キロ二塁打が全米で大反響 今季MLB最速に「やけどするような打球」

7回、右越えに2点適時二塁打を放つ大谷(ロイター=USA TODAY)

エンゼルスの大谷翔平投手(26)が放った打球速度119マイル(約192キロ)のロケット二塁打の衝撃が一夜明けた13日(日本時間14日)も全米で拡大している。大谷のバットが119マイルの二塁打を叩き出したのは12日(同13日)の敵地ロイヤルズ戦の7回二死二、三塁。右腕バーローの真ん中高めの速球をフルスイングすると打球はあっという間にワンバウンドで右翼フェンスに当たった。この日の大谷は初回に左前打、9回に左適時二塁打と今季初の3安打をマークした。

119マイルは自己最速に加えて、今季のメジャー最速。スタットキャストが導入された2015年以降、119マイルを超える打球を放ったのはスタントン、ジャッジ、サンチェスのヤンキース勢3人に加え、ツインズのクルーズの4人だけで、大谷は5人目だ。

全国紙USAトゥデー(電子版)は「2021シーズンはまだ2週間もたっていないが、すで月曜日の大谷翔平ほど速い打球を打つ選手は誰もいない可能性がある」と伝えた。ロサンゼルス・タイムズ紙は「まるでロケットのように打球が飛んだ」と報じた。

米大リーグ(MLB)公式サイトは「大谷がやけどするような119マイルの二塁打」「あなたは見たか」の見出しで「7回の重大な瞬間に信じられない速さの二塁打を放って再び世間を驚かせ、健康な大谷翔平がなんでもできることを見せつけた」と動画とともに伝えた。

さらに同サイトは13日に「シーズン序盤における7つの大きな瞬間」と題した特集を掲載。1番目に「大谷翔平は我々が夢見ていた試合をした」を挙げた。大谷は4日(同5日)のホワイトソックス戦に渡米後初のリアル二刀流の「2番・投手」で出場。打者では初回に451フィート(約137・4メートル)の特大弾を右中間に叩き込み、投手では4回2/3を投げて7三振を奪い、100マイル(約161キロ)を連発。MAXは101・1マイル(約163キロ)を計測した。

「これまで生きてきたほとんどの人間よりも球を遠くに飛ばし、球を速く投げる能力は、野球選手の可能性とそれを実際に行うことの難しさを象徴している。彼の能力を疑うものはいない」と最大級の賛辞を贈る。

さらに同サイトは「エンゼルスはもはや彼に制限を設けない。両方の役割で100%自由だ。いつまで二刀流を続けられるかは、彼のような選手に夢を抱かせ、マイク・トラウトをプレーオフでプレーさせたいエンゼルスの希望となる」と今後に期待を寄せた。全米の野球ファンを熱狂させる大谷の快進撃は止まらない。

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