【フィギュア】羽生結弦から見た池江璃花子の“奇跡”「練習やトレーニングだけが努力じゃない」

池江について語った羽生

フィギュアスケートの五輪2連覇・羽生結弦(26=ANA)が14日、世界国別対抗戦(15日開幕、丸善インテックアリーナ大阪)の前日取材に応じ、競泳の日本選手権で4冠を達成して東京五輪に内定した池江璃花子(20=ルネサンス)に言及した。

この日、池江は別のインタビューで「私も頑張りたいと思えたのは羽生選手」と語り、18年平昌五輪金メダルから刺激を受けたことを明かしていた。その発言を記者から伝え聞いた羽生は「僕なんかはもう比べ物にならないくらい苦しかったと思います。もちろん他の選手たちも努力してきて、それでも報われなかった思いを持っている人もいるかもしれません。ただ、僕は平昌五輪の時に結構、重い捻挫(ねんざ)をしていて練習できなかった期間がたくさんありました」と自らの経験を振り返りつつ、池江の快挙を目撃した胸の内を明かした。

「努力が報われるんだなっていう言葉を聞いた時に、練習やトレーニングをしている時だけが努力じゃないんだなっていうことを僕は改めて感じました。池江選手だからこそ感じた苦痛だったり、悲しみだったり、喪失感だったり、そういったものを感じた日々は絶対に努力というものにつながっていると思うので、ぜひ自信を持って五輪に挑んでほしいな、と。五輪を経験した身から言わせてもらいます」

そう言った羽生は最後に「偉そうにすいません」と、ほほえんだ。

氷の王から水の女神へ――。人一倍の挫折を味わい、努力をし、世界の頂点に君臨する王者ならではの賛辞であった。

© 株式会社東京スポーツ新聞社