体操界のキング内村が語る〝氷の王者〟羽生との共通点「得点や結果じゃないところに目を向けている」

内村航平

体操の五輪2連覇・内村航平(32=ジョイカル)が15日、東京五輪代表選考会の全日本選手権(群馬・高崎アリーナ)へ向けた公式練習を行った。

種目別の鉄棒に専念して五輪出場を狙うキングにとって、今大会は重要な一戦。16日の予選に向けて「今回ばかりは自分のため。準備してきたことをそのまま出せれば」と意気込みを語った。

その一方、同日に開幕するフィギュアスケートの世界国別対抗戦に出場する冬季五輪2連覇の羽生結弦(26=ANA)への思いも口にした。世界選手権の終了後、人類初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦中の羽生は、H難度の大技「ブレトシュナイダー(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」に取り組む内村について「刺激になっている」と話していた。その発言を受け、同じ五輪2連覇で世界の頂点に立った男として「すごく似ている部分がたくさんある」と切り出した。

「もう結果じゃないところに目を向けて、いま新しいことにチャレンジしている。お互いにそういう性格だと思う。常に現状に満足しないでやっていて、それが4回転半だったり、僕の場合だとブレトシュナイダー。採点競技ですし、五輪で2連覇し、何か常に人の一歩先を見て演技を組み立てて、人がやってないようなことをやりたいっていう。競技は違えど、自分の満足する演技をして、人に採点してもらって結果が出る競技。やっぱり得点とか結果じゃない部分に目を向けてやっているのは本当に似ていますね」

世界の頂点を取った男にしか分からない境地。羽生が受けた「刺激」について問われると「逆もしかりですね。僕もすごく刺激をもらってやっています」とほほえんだ。常人には理解できないレベルと通じ合っているようだ。

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