長崎県コロナ感染ステージ2に 知事危機感「第4波入り口」

長崎県からのお願い

 長崎県内で新型コロナウイルス感染者が増加しているとして、中村法道知事は15日に臨時の記者会見を開き、感染状況を5段階で示す県独自のステージを16日に最低の「1(感染者の散発)」から「2(漸増)」に引き上げ、県内全域に「注意報」を発令すると発表した。「第4波の入り口に差しかかっており、感染が急拡大する恐れがある」と強い危機感を示し、県民に感染防止対策の徹底を呼び掛けた。
 15日に始まった第2弾の県民宿泊割引キャンペーンと、5月7、8両日に県内で予定されている東京五輪の聖火リレーについて、今後の感染拡大状況では中止も検討する意向を示した。
 県内では昨年末から2月の第3波以降、3月中旬ごろから感染者が散発し、今月15日には新たに19人の感染が判明。1日に10人以上の感染公表は1月30日以来。直近1週間は計54人に膨らみ、前の1週間の10人を大きく上回った。
 県によると、3~4月の県内初発と考えられる事例の約8割が県外旅行・出張など「県外由来」。初発から濃厚接触者らへの2次感染の経路は家庭内が半数以上だった。
 知事は県外との往来が活発になる今月下旬からの大型連休を念頭に、不要不急の県外との往来や県外在住の家族らの来県は自粛するよう要請。これまで会食を控えるよう求めていた人数は「10人以上」だったが、「5人以上」に厳格化。19日からは長崎、佐世保両市で酒類を提供する約1700店について、感染防止対策の見回り調査を実施すると明らかにした。
 県は15日に本土地区の専用病床確保のフェーズを「2」から「3」に引き上げ、確保病床を92床から188床に増やした。一方、上五島医療圏は「3」から「1」に引き下げ、県全体では204床になった。


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