県外との往来「自粛を」 長崎県、コロナ感染拡大受け 呼び掛け

感染防止対策の徹底を呼び掛ける中田部長=県庁

 県内でも新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあるとして、県は2日、県外との不要不急の往来自粛など感染予防対策を徹底するよう県民に呼び掛けた。会見した中田勝己福祉保健部長は「全国的に感染が急拡大し、長崎県でも安心できる状況ではない。第3波では加速度的に感染者が増えた。もし変異株の流行が加わると、スピードが速まる可能性がある。早め早めの対策が必要」と述べた。
 県内では3月25日以降、連日1~5人の感染が公表されている。従来より感染力が強いとされる英国由来の変異株も県内で初めて確認された。県によると、3月1日~4月1日の感染者26人のうち初発事例と考えられるのは8人で、うち6人が旅行や出張などで県外との接触があった。
 昨年末から2月にかけて感染が拡大した「第3波」では入院患者が急増し、県内の医療体制が逼迫(ひっぱく)。一般診療にも影響が出た。こうした事態を防ぐため、県外との不要不急の往来を自粛し、必要な往来でも会食を控えるよう呼び掛けた。また、異動や進学などで来県した人にも2週間程度会食など感染リスクの高い行動を避け、健康管理を徹底するよう求めた。
 県は国の方針を受け、感染の急拡大に備えた専用病床の拡充や、陰性に転じても入院が必要な患者を受け入れる後方支援医療機関との連携強化など医療体制の再構築を進めている。5月末までにまとめる。


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