初勝利お預けの中日・大野雄は〝見殺し打線〟責めぬ男気「我慢するしかない」

未勝利のエース左腕・大野雄

昨季沢村賞に輝いた中日・大野雄大投手(32)が気の毒だ。20日のDeNA戦(横浜)に先発し、8回まで102球を投げ3安打無失点、無四球で7奪三振と気迫の投球を見せたが、打線の援護がなく、またも今季初勝利はお預けとなった。

とにかく貧打が深刻だ。6安打を放ったが、好機であと1本が出ず無得点に終わった。今季いまだ3勝しかしていない最下位・DeNA相手に痛恨の0―0のスコアレスドロー。与田監督は「特に(7回)無死一、三塁で、点を取れる戦術を僕がしないといけないところ。結果的に点が取れなかった。打てなかった選手がどうこうというよりも何とか点が取れるように、しっかり采配を考えないといけない」と猛省する。

あるOBは「野手はいったい何をやっているんだ。ここまで大野が力投を見せているのに何度見殺しにするのか。こんなことを続けていたら、せっかく大野はFA宣言せずに中日に残ってくれたのに、打線がちゃんと援護してくれる阪神に行けば良かった、とか思われてしまっても仕方がないよ」と憤る。

ここまでの3試合で大野雄は4月6日DeNA戦(バンテリン)こそ6回5失点KOされたが、3月30日巨人戦(同)、4月13日巨人戦(東京ドーム)ではいずれも7回2失点と試合をつくっていた。チーム関係者も「打線が阪神ならとっくに2、3勝しているのでは」と未勝利のエース左腕に同情する。

それでも大野雄は打線を一切責めることはなく〝我慢〟の二文字を強調。「我慢するしかない。ゲーム前からそう思って投げていましたし、味方が点取るまで我慢やと。点やったら負けやと思いながら投げていました。自分の投球は確立できてきましたし、あとは勝ちがつけば一番良かったんですけど、今は我慢で、チームも僕もファンも我慢ですね」と男気コメントだ。

打線は一刻も早く奮起してそんな大野雄のために今季初白星をつけたいところだ。

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