【東京五輪】観客上限決定の先延ばしも…橋本会長「少し時間がかかるかもしれない」、武藤事務総長「場合によっては6月」

組織委の橋本会長(左)と武藤事務総長(代表撮影)

国際オリンピック委員会(IOC)の理事会が21日に開かれ、日本側から出席した東京五輪・パラリンピックの橋本聖子会長(56)が閉会後に取材に応じた。

理事会では武藤敏郎事務総長(77)からIOCに対して国内の感染対策やテストイベントなど運営面の準備状況の報告がなされたといい、橋本会長は「IOCからは大変ポジティブな反応があった。改めて現在の準備状況を評価いただいている」と話した。

一方、これまで観客数の上限について「4月中に方向性を示す」としてきたが、この日になってトーンが変化。橋本会長は「刻々と変化するコロナの状況において、しっかりと全体的な数字を見ながら今後の見通しも含め、専門的な知見からしっかりと意見を聞いて調整していく必要がある」とした上で「4月中には方向性を見いだしていきたいと思っていますけど、今後の状況を見て、どの時期に最終的な判断をするかというのは、今まだ検討中です」と話した。

記者団から「6月というのも選択肢に含まれるか?」との問いには「できる限りしっかりした適切な判断をするためには少し時間がかかるかもしれませんし、感染状況を見ながら決めていかなければいけないと思います」と決定の先送りを示唆。武藤事務総長は「最終判断は5月、6月…場合によっては6月ということもあり得るだろうと。そういう判断をしている状況にあります」と話した。

また、開催地の東京都は3度目の緊急事態宣言の発令が間近とされているが「出されても出されなくても、万全の態勢でテストイベントをやっていかなければいけない」と、予定通りゴールデンウイーク中のテスト大会を実施する意向を明かした。「五輪中止を検討する考えはないか?」という問いには「国民の皆さまの心配はさらに高まっていくだろうと思っておりますし、そういった不安をどのように組織委員会として払拭していけるのか。安心と安全の東京大会であることをすべての国民の皆さまにご理解いただけるように」と、おなじみのフレーズに終始した。

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