武田修宏氏がズバリ分析 森保ジャパンは“死の組”ではない!

森保監督は「厳しいグループ」と語ったが

森保ジャパンは“死の組”ではない――。東京五輪の男子サッカー(7月22日開幕)の1次リーグ組み合わせ抽選会が21日にスイスのチューリヒで開かれ、開催国の日本はフランス、メキシコ、南アフリカと同じA組に入った。強豪揃いのグループとなったが、元日本代表で本紙評論家の武田修宏氏(53)は意外にも突破は有望と分析。一方、宿敵の韓国は“天国の組”でお祭り騒ぎになっている。

組み合わせの決定を受けてオンラインで会見した森保一監督(52)は「厳しいグループ」と率直な思いを吐露。世界屈指の強豪が揃う組で「一戦一戦、我々の持っているもの全てをぶつけていかないといけない」と気を引き締めた。

A代表が2018年ロシアW杯で優勝した欧州の強豪フランス、U―23世代が12年ロンドン五輪で金メダルを獲得したメキシコ、そして激戦のアフリカ予選を勝ち抜いた南アフリカといずれ劣らぬ難敵揃い。まさに“死の組”となった。

しかし、武田氏は全く悲観していない。「フランスは欧州予選のU―21選手権でスペインに準決勝で1―4と大敗していて、決して欧州トップではない。この世代はスペインとドイツが抜けていて、そこと比べたら日本も十分に戦える」と指摘する。

その上で「試合映像も見たけど、フランスは両サイドバックに難があってそこを何度も突かれていた。もちろん当時とはメンバーも変わるだろうが、穴は必ずあるので日本の分析力があれば対策を立てられる。FWキリアン・エムバペ(22=パリ・サンジェルマン)も欧州選手権(6月開幕)があるので招集されないだろうし、そこまで怖い相手ではない」。

フランスが相手でも、過剰に恐れることはないと分析した。他の2チームについても、武田氏は同様の見解を示す。「初戦が南アフリカというのもプラス。そこで勢いに乗って、メキシコもタイプ的に戦いやすいはずなので、日本は上を目指すチャンスが十分ある」と言い切った。

一方で“天国の組”となったのが宿敵韓国だ。B組に入り、ホンジュラス、ニュージーランド、ルーマニアと国際舞台での実績がない強豪不在の恵まれた抽選結果となった。

韓国紙「スポーツ韓国」は「金鶴範(キム・ハクボム)監督率いる韓国チームは幸いなことに強豪すべてを避けられた」と組み合わせ抽選の結果に万歳三唱。そして「比較的簡単な相手だ。ニュージーランドは今回の本選出場国でも弱小国。ルーマニアも欧州の中で最も実力が低いと評価される。厳しいアフリカのチームも避けられた」と完全に相手を“格下扱い”だ。

さらに「ソウル新聞」は「韓国がB組1位、日本がA組2位になると7月31日に横浜で4強のチケットをかけて激突する」と気が早い見立てを披露。3月にA代表の日韓戦で0―3と惨敗したことを引き合いに「ベント監督率いる韓国代表が味わった“横浜惨事”の雪辱を、金監督の韓国が代わりに晴らす」と同じ横浜の地でリベンジを期している。

武田氏は優勝候補としてスペイン、ドイツ、アルゼンチン、ブラジルの強豪に加えて「日本と韓国も加わってくる」とアジア勢の躍進も予想。日韓両国の本番での戦いに注目だ。

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