「自分のケツは自分で拭きなさい」飲酒騒動を経てタイトル戦に臨む拳四朗に父の猛ゲキ

調印式で意気込みを話す寺地拳四朗

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(24日、エディオンアリーナ大阪)で、王者・寺地拳四朗(29=BMB)が自立への一歩を踏み出す。

同級1位・久田哲也(36=ハラダ)とのV8戦に向け、22日の調印式では「皆さんが声が出ないくらい圧倒的な強さで勝つ」ときっぱり。自身の飲酒騒動で昨年12月に日本ボクシングコミッション(JBC)から3か月のライセンス停止処分を経て、2019年12月以来1年4か月ぶりの防衛戦。「支えてくれた人への恩返し」と「自身の成長」を示すために勝利を誓っている。

そんな中、実父である所属ジムの寺地永会長(57)は取材に「どんな試合でも勝つことがすべて。デビュー戦からすべてそれを前提にやっている。何ら変わることはない」と強調しつつ「ただ試合して勝つだけじゃブランクを経ただけ」と生まれ変わった姿を見せることに期待を寄せる。

JBCから義務付けられた社会貢献活動を経験した拳四朗は「誰からも尊敬される人間になりたい」と内面的な成長を目指す。その息子へ、寺地会長は「これから築き上げていけばいい。今回の奉仕活動も(用意や手配など)周りに任せきりになった部分もあり、いろんな方に迷惑、お世話をかけた。仕方ない部分はあったが、自分のケツは自分で拭きなさいという思い。年相応の行いを心がけて、この先も力強く防衛を重ねてほしい」とエールを送った。まずはV8クリアでその思いに応える。

© 株式会社東京スポーツ新聞社