GW明けコロナ感染者数 第3波の「2倍超」 長崎大 県内推計 行動変容あれば抑制

長崎県の陽性報告数と今後の予測

 長崎大は22日、県内が新型コロナウイルス感染の第4波に入っているとの見解を示し、現在の感染ペースが続いた場合、大型連休明けに感染者数が第3波の2倍以上になるとの推計を公表した。ただ、人との接触機会を半減するなど市民の行動変容があれば、同じレベルに抑制できるとの見通しも示した。
 同大熱帯医学研究所(熱研)の有吉紅也教授らでつくる新型コロナウイルス感染症疫学検討班が昨年4月から、数理モデルを使いシミュレーション。初めて公開した。
 このうち、今の感染ペースが続く「シナリオA」によると、5月10日に1日当たりの感染者数(陽性報告数)がピークを迎え、同じ北部九州経済圏の福岡県が924人、本県が127人になると予測。昨年末から1月にかけての第3波と比べ、いずれも2倍以上の水準に達する。これまで県内で最も多かったのは1月9日時点の60人だった。
 その背景として、従来型より感染力の強い英国型の変異株が本県でも広がりつつあり、感染者1人から平均何人にうつるかを示す指標「実効再生産数」が上昇している点を指摘。県内も3月から第4波が始まっており、大型連休期間が最も感染リスクが高いとして、警戒を呼び掛けた。
 22日の記者会見に同席した長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は「感染者が60人出た頃は病院の対応が相当厳しかった。120人は想像を超える数。(医療従事者の)マンパワーにも限界がある」と危機感を示した。
 一方、直ちに市民が感染対策を強化した場合の「シナリオB」によると、ピーク時が福岡県454人、本県50人で第3波と同じレベルに抑えられるとした。具体的な対応について、同班の砂原俊彦助教は「人と接触する機会を半減できれば、感染者を減らせる」と述べた。


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