【ボクシング】寺地拳四朗が8度目の防衛成功で涙「昨年は不祥事で…」

8度目の防衛に成功した寺地拳四朗

ボクシングのWBC世界ライトフライ級タイトルマッチが24日、エディオンアリーナ大阪で行われ、王者の寺地拳四朗(29=BMB)が挑戦者で同級1位の久田哲也(36=ハラダ)を判定3―0(118―109×2、119―108)で下し、8度目の防衛に成功した。

入場時から、マスク越しでも落ち着いた様子を感じさせた王者だったが、気負いからか1ラウンド(R)は動きに固さを見せる。しかし2Rにワンツーの右が挑戦者の顔面を捉え、ダウンを奪取。これで固さが解け、以降はコンビネーションに左ボディーなど多彩な攻撃を見せる。一方で距離をつぶしに図る挑戦者に、前後の出入りで懐に入らせず、距離感を保ちながらジャブでペースメークした。

4R終了時の採点で3者が王者を支持する中、必死に前に出る挑戦者から飛び込んでの右ボディーを食らい、6Rには足を止めて接近戦で打ち合う場面も。だが終始、冷静に試合を運び、終盤は完全に王者が主導権を握る。勝利が濃厚となった最終Rは相手の接近戦に応戦しつつも、フットワークで抜群の距離感を保ち、最後まで集中力を欠くことはなかった。

勝利後は、これまでの思いがあふれ涙を見せながら「コロナの中こんなにたくさん来ていただきありがとうございます」と感謝し「昨年は不祥事でたくさんの方にご迷惑、ご心配かけてこの先、どうしたらいいんだろうと不安にもなった。僕はまだまだ強くなれると思う。これからも勝って恩返ししたい」と、さらなる進化を誓った。

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