【新型コロナ】神奈川の医療従事者、ワクチン接種に遅れ 高齢者接種への影響懸念

報道陣に公開された医療従事者向けワクチンの配送作業の様子=19日午前、県内

 新型コロナウイルスを巡り、県内の医療従事者のワクチン接種が遅れている。都道府県別の接種状況で見ると、接種を終えた人数は首都圏で最も少ない。医療従事者は高齢者らに対する接種を担うだけに、市町村からは「高齢者接種に影響が生じかねない」と懸念の声が上がっている。

 「全然足りないな…」

 川崎市内にある病院の関係者は、今月初めて届いたワクチンの数量を確認し、こうつぶやいた。この日配送されたのは、職員の1回目の接種に必要な分の4分の1ほど。「打ち終わるのはいつになるのか」と漏らした。

 政府が19日に公表した都道府県別の接種状況(16日時点)では、県内で1回目の接種をした医療従事者は5万264人。2回目まで接種した人は2万8998人だった。

 2回の接種を完了した人数を比較すると、東京都は6万3168人、千葉県は3万2533人、埼玉県は2万9693人と首都圏で最も遅れている。県によると、優先接種の対象となる医療従事者らは県内で約30万人に上り、現時点で約26万人が接種を希望。希望者に対する2回目の接種率は11%程度にとどまる。

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