【新型コロナ】県は「情報提供を」 ワクチン接種で川崎市長「やきもきしている」

会見する福田市長=川崎市役所

 「かなりやきもきしている」。新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、川崎市の福田紀彦市長は6日の会見で、医療従事者への接種スケジュールの全体像が神奈川県から示されない現状を危惧。「何に困ってどこがネックなのか、私たちにできることがあれば言ってほしい」と呼び掛けた。

 同市の医療従事者への接種は病院で順調に進む一方、クリニックでは不透明な状態が続く。市長は「個別接種を担う方が少なくとも1回は接種を受けられる準備を早くしなければ」と指摘。「いよいよタイムリミットが来ている」とし、5月10日以降に開始予定の高齢者を対象とした集団、個別接種への影響を懸念した。

 医療現場からも「どうなっているのか」との声が相次いでいるといい、不安は県内全域に広がっているとの見方を示した。

 医療従事者向け先行接種は県の事業で、市町村が実施主体となる。福田市長は「県の責任だけにするつもりはない。必要な情報は正しく出して課題解決のための情報を共有し、一緒に立ち向かわなけばならない」と県に注文した。

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