◇期待と信頼損なわず
新型コロナウイルスの影響で市中パレードや駐屯地開設記念行事が相次ぎ中止となり、着任後の3週間は静かに過ぎた。「市民に親しまれる駐屯地として期待と信頼を損なわないよう、誠心誠意勤務する」と抱負を語る。
国防のための訓練はコロナ下でも間断なく続く。安全には細心の注意を払い、地元の理解を得たいと話す。「訓練と安全は車の両輪。演習場周辺では住民の皆さんに車両の通行や音、火器使用について特に理解を得ていきたい」
災害派遣も重要で、国民の期待が高い任務。高田駐屯地からは昨年12月の関越自動車道での雪による立ち往生、1月は上越市内での雪下ろしに出動した。「『自助・共助・公助』でいえば自衛隊は自治体や警察、消防と共に公助を担う。それぞれが協力し合って初めてその任務を達成することができる」
駐屯地を預かるリーダーとして座右の銘に掲げるのは、長岡市出身の旧日本海軍軍人、山本五十六が残した3行の言葉。特に「やっている姿を感謝で見守って 信頼せねば人は実らず」に大きな意味を感じている。「部下に仕事を任せ、その成果を褒めることが必要だ。命令をする側と受ける側に信頼と感謝がなければならない」
前任は陸上幕僚監部防衛部防衛課で、部隊新設・再編に関わった。久しぶりの現場勤務で「実際に計画してきたことが、現場で機能しているかを確認したい」。
散策が好きで、街歩きをしながら見聞を深めたいという。沖縄県南城市出身。防衛大卒。