神奈川県、関西の患者受け入れ見送り 「現時点で要請なく」

神奈川県庁

 新型コロナウイルス感染者の急増で病床が逼迫(ひっぱく)している関西圏の重症患者を県が受け入れる準備を表明したことを巡り、黒岩祐治知事は27日、大阪府と兵庫県の両知事と連絡を取った結果、受け入れの要請がなかったことを明らかにした。

 神奈川県は24日の対策本部会議で今週前半に限り、関西圏の自治体から要請があれば重症患者数人を県内の病院で受け入れる方針を決めていた。

 黒岩知事はこの日の定例会見で、大阪府の吉村洋文知事と兵庫県の井戸敏三知事に自ら電話したことを説明。吉村知事から「ありがたい申し出だが、広域搬送でいろいろ課題がある」、井戸知事からは「現時点ではまだ病床をやりくりできる」と言われたとし、「今の時点で要請がないということであれば、今回は受け入れを行わないことになる」と述べた。

 吉村知事からは人工心肺装置ECMO(エクモ)を操作できる看護師の派遣を要望されたものの、県内の現状を踏まえて医療スタッフの派遣は見送った。

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