GW初日 神奈川の観光地、雨を差し引いても客足鈍く 酒類終日停止も打撃

若い世代が目立つ中華街大通り=29日午後1時ごろ、横浜市中区

 新型コロナウイルスに伴う「まん延防止等重点措置」が神奈川県内9市に適用される中、大型連休が29日、スタートした。例年ならにぎわう県内の観光地だが、県境をまたぐ往来自粛が呼び掛けられていることもあって人は少なめ。行楽を楽しむ家族連れの姿も見られたが、観光事業者は感染拡大を懸念しつつも客足に気をもんでいる。

 雨が降る中、傘を差した学生グループがタピオカドリンクなどを手に通りを歩く姿が多く見られた横浜中華街。横浜市内から来たという高校生の2人組は「思っていたより人は少ない。今日は気を付けながら楽しみたい」と焼き小籠包(しょうろんぽう)を頰張った。

 正午すぎ、関帝廟通りにある飲食店では数組のグループが食事を取っていた。受付に立つ同店の女性は「雨を差し引いても、祝日としては人通りは少ないですね」と複雑な表情で通りを眺める。28日から始まった酒類提供の終日停止も影響は大きい。「ノンアルコールの飲み物も用意していますが、お酒を一緒に楽しめないなら、と常連さんの足も遠のいてしまうのではないかと心配しています」

 別の店の男性店長も「お酒の提供ができないので、イートインの利用客がかなり減っている」と明かす。年配のツアー客は激減し、来店客の8割程度は近隣に住む10~20代。自宅用の商品購入が多いという。「今日も平日並みの人出で、今年の大型連休の売り上げはあまり期待できない。ジレンマは感じますが、まずは感染状況が早く収まってほしいですね」と話した。

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