障害児のズボン下ろす、口に無理やりホース 給付費を不正受給も… 川崎市、2施設の指定を取り消し・停止

川崎市役所

 通所者への虐待や給付費の不正受給などを重ねたとして、川崎市は30日、児童福祉法に基づき、障害児の放課後等デイサービス施設「ジョイ・キッズ・ゴー」(同市川崎区)を指定取り消し、「ジョイ・キッズ」(同)を6カ月間指定停止の行政処分とした。ともにビッグ・フォレスト(横浜市鶴見区)が運営する施設で、市は追徴金を含め計約4370万円の返還を求める。

 市によると、ジョイ・キッズ・ゴーは指定申請時に職員の実務経験証明書を偽造し、無資格者を児童指導員と申告。勤務実態が無い職員も配置するなど人員基準を満たさず指定を取得し、開設の2020年4月から10カ月間、障害児通所給付費を不正に取得した。

 また、職員1人は通所男児のズボンを他の子どもらの前で下ろすなどの虐待をした。市は開設時にさかのぼり指定を取り消し、給付費と追徴金計約2940万円の返還を求める。同施設は今年2月に休止した。

 ジョイ・キッズでは、施設長が子どもの口にホースを無理やり入れ水を流すなどの虐待行為があった。さらに、無資格職員の配置など児童相談員が不足した状態で運営した上、恒常的に定員を超えた状態(最大15人)でサービスを提供した。

 勤務実態が無い職員を届け出るなどした結果、19年7月から今年2月までの17カ月間、不正に障害児通所給付費を受け取った。市は追徴金を含め計約1430万円の返還を求める。同施設は7月に別法人に譲渡される予定という。

 いずれも20年11月に市への通報で発覚。市は監査や立ち入り検査などを実施し、両施設は虐待について「遊びでやった」などと説明したという。

 市は同法人の施設がある横浜市にも情報提供した。同法人は神奈川新聞の取材に対し、「代表が外出しており回答が難しい」とした。

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