【東京五輪】ついに出てきたスポンサー離れの動き ブラジルで複数企業が再契約拒否

東京五輪への希望も沈んでいく…

新型コロナ禍で開催強行へ突き進む東京五輪をめぐり、ついにスポンサー離れの動きが出てきた。

震源地は多くのメダル候補選手を抱えるスポーツ大国ブラジルだ。同国メディア「UOL」は「グローボが東京五輪のスポンサーシップの販売に苦労している」と報じた。

五輪の放映権を持つブラジルの放送局「グローボ」は、新型コロナ禍により大会が延期されたことに伴って東京五輪におけるスポンサー企業との契約を一時解消した。

そして大会まで3か月を切ったタイミングで、改めて東京五輪のスポンサーとの再契約に動いたが、なんと応じたのはわずか2社のみ。通信大手「クラロ」やイタリアと米国の自動車大手「フィアット」など多くのスポンサー企業が契約を拒否。つまり東京五輪のスポンサーを放棄したのだ。

「グローボは広告枠の販売が困難であることに気付いた。まずは以前の広告主との接触を優先したが、クラロとフィアットは投資を再開することを望まなかった」という。「広告の販売枠の総額は5億レアル(約100億円)を超えているが、大会まで3か月を切り、すべてのパッケージの販売は時間との戦いだ」と同メディアはグローボの窮状ぶりを伝えている。

スポンサー離れが起きた理由について同メディアはこう指摘する。

「日本では新型コロナウイルスの症例が増加し、国内でのワクチン接種も遅れ、7月の五輪開催について世論のほとんどが反対して今回のイベントを脅かしている」

東京を始め日本では新型コロナ変異種が猛威を振るい感染状況が非常に危険な水準にまで達し、開催が不透明になっている。たとえ開催を強行したとしても危機的状況での無謀な開催は消費者の理解を到底得られず、東京五輪のスポンサーになれば広告効果どころか逆に企業イメージの悪化や不買運動などにつながりかねないとの判断だ。ブラジルでは感染者数や死者数が激増している状況だけに、大企業としては当然の決断と言えるだろう。

五輪の有力国で起きた国際的企業によるスポンサー離れの動き。今後は世界各国に波及する可能性もあり、東京五輪を瓦解させる大きなうねりになりそうだ。

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