【東京五輪】意見二分のNZ「高齢者を守るワクチンが…」「五輪出場する唯一のチャンス」

他国の反応は…

約2か月半後に開幕する東京五輪を巡り、ニュージランド選手団の中で意見が二分している。

かねて徹底した新型コロナウイルス対策を行ってきたニュージランド。他国に比べ、いち早く日常が戻りつつある中、同国紙「ヘラルド」は、公衆衛生に詳しいオタゴ大学のマイケル・ベイカー教授が「東京五輪の再延期を提案している」と伝えた。

ベイカー教授は「ニュージーランドのような国では、比較的安全な大規模なスポーツイベントを開催でき、医療従事者に予防接種を実施する余裕があるので、このパンデミックで死亡する人々からワクチン接種の機会を奪うことはないが、その他の多くの地域ではそうではない」と説明した上で「アスリートやスポーツチームが優先的にワクチンを接種して海外に行くと、脆弱な高齢者を守るためのワクチンが準備できず、死亡してしまう可能性がある」と訴えた。

実際、同紙は「東京五輪でニュージーランドのアスリートをケアするために選ばれた一部の健康専門家が、コロナの危険性からチームを撤退した」と報じている。

その一方で、国際オリンピック委員会のアスリート委員のメンバーで、自転車BMX競技のサラ・ウォーカー(32)は、ベイカー教授の発言に理解を示しながらも「アスリートの70%以上が1回しか五輪に出場できない。多くのアスリートにとって、五輪に出場する唯一のチャンスとなるので、五輪を実現させましょう」と自らの見解を述べた。

ウィズコロナの生活が定着しつつあるニュージランド。本番までに選手団はどのような判断を下すのだろうか。

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