【新型コロナ】まん延防止対象拡大で「壊滅的」、酒卸売業の悲鳴「酒だけを悪者に」 

飲食店に出荷できず、配送センターに置かれたままのビールたる=川崎市川崎区

 新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、5月末までの延長が決まった神奈川への「まん延防止等重点措置」。12日からは対象区域に横須賀や藤沢など8市町が追加され、神奈川県による飲食店などへの営業時間短縮要請(午後8時まで)は計17市町に拡大する。中でも酒類の提供停止は飲食業界にとって大打撃で、苦境に直面する関係者に不信感が渦巻いている。

 「飲食店で酒の提供がなくなり、卸売りは壊滅的な状態だ。自粛だけで医療体制も充実させず、酒だけを悪者にしている」

 重点措置区域の川崎市川崎区で酒類の卸売業を手掛ける社長(56)は、事実上の“禁酒令”に憤りを隠さない。

 4月28日に始まった県による酒類提供の「終日停止」は大型連休を直撃し、すでに2週間近くが経過。この先も半月以上にわたる出荷制限を余儀なくされ、昨春に6~7割減まで落ち込んだ売り上げが回復するめどはないという。

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