「副作用怖い」ワクチン接種に悩むパラアスリートたち 医師の見解は?

男子走り幅跳びの山本はワクチンへの不安を口にした「

約3か月後に迫った東京パラリンピックを前に、出場予定のアスリートたちが新型コロナウイルスのワクチン接種をするべきかどうかで頭を悩ませている。

国際オリンピック委員会(IOC)は、東京五輪・パラリンピックに参加する選手団に向け、米製薬会社大手ファイザー製のワクチンを無償提供すると発表。パラ陸上のテスト大会(11日、国立競技場)では、選手から「自分を守る意味でも、人にうつさない意味でも必要」などと肯定的な意見も聞かれる一方で、男子走り幅跳び(T63)で代表に内定している山本篤(39=新日本住設)は「アトピーを持っているし、たまにロキソニンを飲んで発疹が出たりすることもあるので、副作用がどうなるのか怖い」と不安を口にした。

さらに、一般的に脳性まひや頸髄を損傷している人は、健常者より呼吸機能が弱いといわれており「病気にかかりやすいので注意しないといけない」と心配する選手もいる。このように感染リスクの高い選手は、ワクチンを接種しても大丈夫なのだろうか。

ナビタスクリニックの理事長で感染症に詳しい久住英二医師は取材に「すべての方においてリスクを下げることができるのがワクチン」と有効性を示した上で「今回選手たちが打つファイザーのワクチンは、20万人に1人の確率でアナフィラキシーショックは起きるが、打てない人はいない。ワクチンを打って安心して競技に臨んだほうがいいと思う。打っちゃいけない人は医学的にはいない」と太鼓判を押した。

今回選手団に提供されるワクチンは、国内の高齢者や医療従事者に供給されているものとは「別枠」で用意されており、接種計画に影響はない。安全を担保するためにも、選手たちはワクチンを打ったほうがよさそうだ。

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