神戸市、コロナ死98人未発表と判明 感染爆発で保健所の業務遅れる

 神戸市が市内における新型コロナウイルスの死者について、感染爆発にともなう保健所業務のひっ迫で、98人分の公表が遅れていることが分かった。病院の届出数と市の発表分に差があり、県の発表分にも含まれていない。

病院の届出総数と98人分の差

 市では、市としての死者発表については保健所が遺族から発表内容についての了承が得られ次第公表しているが、一方で市が定期的に開いている新型コロナの対策会議には、医療機関が届け出た死者数が公表されている。10日開催の会議資料によると、ここでの死者数は9日時点で372人。しかし同日に市が発表している死者数は274人となっており、98人の差が生じている。市ではこの差について、患者急増で保健所の業務が追いついていないためとしており、後日の発表分に含めていく方針。

 神戸市では11日に、集団接種会場へ持ち込んだワクチンの保管に手違いがあり、980回分を廃棄する件も起きており、感染爆発が医療現場にとどまらず、周辺の保健衛生業務にも深刻な混乱を引き起こしていることが明らかになっている。

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