【薬物騒動】田中恒成陣営はJBCへの怒り収まらず「日本ボクシング史上最高峰の試合を汚した罪は重い」

田中恒成

昨年大みそかのWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチでのドーピング検査で王者の井岡一翔(32=Ambition)に禁止薬物の検出疑惑がかけられた問題で日本ボクシングコミッション(JBC)が違反はなかったと19日に発表したことを受けて、対戦相手だった田中恒成(25=畑中)陣営が20日、コメントを発表した。

畑中清詞会長(54)は「昨日(19日)のJBCの裁定は受け入れる。ただし、JBCの不手際がこの大混乱を招いたことは、大変遺憾に思う。永田理事長の話を聞くことはするが、我々が納得する説明があるかどうかによって謝罪を受け入れるか考えたい。あの日本ボクシング史上最高峰の試合を汚した罪は重い。今後、このような事態を繰り返さないためにも、この大混乱を招いたJBCの関係者は、しかるべき責任をとるべきだ」とコメントした。

その上で「田中恒成はここからまた世界のベルトを目指して切磋琢磨する。ファンの皆様の期待に必ず応えていく。また応援よろしくお願い申し上げます」。かねて田中陣営は、この問題に関してJBCに事情説明を要求していたが、今回の裁定にも不信感を募らせている。

また田中は「今回、JBCの不手際によって、このような混乱を招いた事は非常に残念です。大晦日、井岡選手と私の試合は間違いなく素晴らしいものでした。今後は公正、公平が守られ、試合後の両選手が心から健闘を讃え合えるようにJBCは尽力してほしいです」と要求した。

そしてさらなる精進を誓った。「大晦日、私が戦った井岡一翔選手は素晴らしいボクサーでした。現在、私はあの試合を経て、新しいボクシングスタイルを構築する為に日々練習に取り組んでいます。これからの田中恒成のボクシングにご期待ください。応援よろしくお願いします」

今回の問題では一翔の薬物疑惑の調査を行った倫理委員会の答申を受けたJBCが〝シロ〟と認定。しかし冷凍保存しなければならない尿検体を採取後も常温で放置、再検査に必要なB検体もすべて警察に押収されるなど、JBCのずさんな管理体制が問題となっていた。

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