生前好んだ風景 財産に 故村山陽さん絵画「ポプラと青空」 高田文化協会に寄贈

 昨年12月に逝去した洋画家、村山陽さんの作品を管理する一般社団法人アトリエ村山陽は19日、村山さんの作品「ポプラと青空」を高田文化協会(藤林陽三会長)に寄贈した。作品は同協会の事務所(上越市本町3)に飾られる。

絵を寄贈したアトリエ村山陽の(左から)小関代表理事、小林理事に感謝を伝える藤林会長

 作品は1974年当時の県立高田工業高(現上越総合技術高)グラウンドにあったポプラの木を描いた油彩画。村山さんが好んだ風景で、追悼した同協会の『文芸たかだ』372号の表紙に使われた。4月に遊心堂ギャラリーで開かれた村山さんの遺作展を、藤林会長が訪れたことが契機で寄贈が決まった。

 事務所で行われた贈呈式で、同社団法人の小関育也代表理事は「作品を気に入ってもらえてありがたい。協会の財産として広く紹介してもらえれば」とあいさつ。村山さんの長女で理事の小林志野さんは「(同協会は)高田の文化をともし続ける役割を果たしてきた。それに関わった父の絵が引き取ってもらえ、父も喜んでいると思う」と思いを話した。

 村山さんは児童文学作家、杉みき子さんの挿絵などで長年、『文芸たかだ』に作品を掲載し、同協会の40周年や50周年式典で重要な役割を果たし、第30回「文芸たかだ同人賞」を受賞している。藤林会長は感謝状と同人賞を小林さんに手渡し、「文化協会の記念すべき事業には必ず村山先生の力があった。お世話になった」と感謝を伝えた。

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