デッドラインまで残り2週間 無事に2022年シーズンは開幕するのか

ロックアウト開始から2カ月半が経過したが、依然として労使交渉に大きな進展が見られない状況が続いている。現地時間2月12日、メジャーリーグ機構はメジャーリーグ選手会に対して新たな提案を行ったものの、その内容は選手会が望むものではなかった。現時点では次回の労使交渉は未定である。「ESPN」によると、機構側は予定通りにシーズン開幕を迎えるためのデッドラインを現地時間2月28日に定めているという。デッドラインまで残り2週間。労使交渉の進捗状況を考えると、予定通りのシーズン開幕が危機的状況にあるのは間違いなさそうだ。

メジャーリーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは先日の会見のなかで、労使交渉を合意に向けて前進させるために「いい提案」を行う予定であることを明言していた。確かに、ぜいたく税の上限の引き上げ、最低保証年俸の体系に2つの選択肢を用意、調停前のボーナスプールを増額、好成績を残したプロスペクトに付随するドラフト指名権の追加など、様々な譲歩を見せたものの、その規模は小さなものにとどまり、選手会を満足させるには至らなかった。

ポストシーズン出場枠(機構側は14球団、選手会は12球団)やドラフト指名権の抽選制(機構側は全体3位まで、選手会は全体8位まで)など、双方の意見が分かれている項目も多数あり、サービスタイム操作への対応については、選手会が「好成績を残した選手へのサービスタイム付与」を求めているのに対し、機構側は「好成績を残した選手がいる球団にドラフト指名権を付与」という姿勢を崩していない。また、選手会が主張する収益分配システムや年俸調停システムの変更については、ほとんど議論が進んでいない状況だ。

こうした状況のなかで、「ESPN」は「野球ファンは現在の状況をかなり心配するべきだ」と記している。予定通りにシーズン開幕を迎えるためには、機構側と選手会のあいだにある巨大なギャップを2週間で埋めなければならない。これまでの進捗状況を考えると、これは現実的とは言えない。「ESPN」は「まだ1994年のような状況にはなっていないが、シーズン中のストライキによって713試合が中止となった1981年のような状況になりつつある」と指摘。果たして2022年シーズンは予定通り現地時間3月31日に開幕を迎えることができるのだろうか。

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