最終処分場整備事業候補地絞り込み 質疑、相次ぐ 地盤や風評に懸念も 上越市議会厚生委

 上越市議会厚生常任委員会が14日に開かれ、県が柿崎区の2カ所に絞り込んだ「産業廃棄物広域最終処分場」の候補地について市から報告された。

 県は昨年3月、柿崎区の4カ所と谷浜・桑取区内の1カ所、計5カ所を最終処分場の候補地として選定。今月7日、これらから柿崎区の下中山地内と竹鼻地内の2カ所に絞り込んだ。

 市は先般開かれた県議会厚生環境委員会の資料を基に報告。絞り込みに伴い、県が主体となって進める適地選定や地元に対する説明などに協力する「最終処分場整備事業」に予算を計上するとした。

 報告を受け、委員から数々の問題提起がなされた。平良木哲也氏(共産)は「高田平野東縁断層が同地にあり、地盤が不安定では」と発言。これに対し、市は「住民説明会でも同様の意見があったが、県の回答は、それら(断層)には該当していない」と説明した。

 杉田勝典氏(公明)は「住民へ包み隠さず説明しないと禍根を残すことになる」、同区が地元の武藤正信氏(創風)は「建設予定地の付近に水田があり、『廃液被害があるのでは』という風評被害が懸念される。市の事業ではないが、被害や影響が出ないよう(県との協力を)お願いしたい」と言及した。

 市は「今後も県による候補地での説明会が行われる予定。市としても同席し、地元の要望・懸念をくんでいきたい」と答弁した。

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