地域医療支援病院 承認取り消し 基準、実績満たせず 新潟労災病院

 県は3月31日、新潟労災病院(上越市東雲町1)の「地域医療支援病院」承認を取り消したと発表した。

 「地域医療支援病院」は、かかりつけ医を支援する機能など、地域医療の確保を図るための環境を有する病院を都道府県知事が承認する制度。同病院は平成20年5月に承認を受けた。上越市内では他に県立中央病院(同市新南町)が承認を受けている。

 このほどの取り消しは、新潟労災病院の運営主体である独立行政法人労働者健康安全機構の申し出により決定。承認要件となる病床規模の基準(200床以上)を満たせず、また救急医療の提供について令和2年度の実績が基準に達しなかったことを理由とした。

 県は取り消しによる患者や職員への直接的な影響はないとしている。新潟労災、県立中央両病院を含む上越地域の公立・公的8病院は昨年12月、医療機能の再編を国が後押しする「重点支援区域」の対象として選定され、再編への検討が始まっている。県は「区域として医療提供体制をどう維持していくか、今後議論が進められると認識している」とした。

「地域医療支援病院」の取り消しがなされた新潟労災病院

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