WHOが「サル痘」感染拡大を懸念 20日も各国で感染報告相次ぐ

 世界保健機関(WHO)欧州地域事務局のハンス・クルーゲ事務局長は20日、欧州各国で感染報告が続いているウイルス感染症「サル痘」について、今後数ヵ月で拡大が加速する恐れがあると懸念を示した。

各国で新たに30人以上の感染報告

 天然痘の近親ウイルスによる感染症「サル痘」の欧米各国における感染報告が続いているが、20日には、フランスとベルギー、ドイツでも初の感染者が確認された。スペインでは首都のあるマドリード州で新たに21人、他地域で7人の感染が明らかになった。また、英国の保健当局はイングランドで新たに11人の感染を明らかにしている。

 こうした報告を受け、クルーゲ氏は、これから夏を迎え大勢の人が集まる祭りやパーティーが開催される機会が多いことから、さらなる感染拡大を懸念していると表明した。同氏によると、感染者の多くは同性と性交渉を持った男性だという。英国保健安全保障庁(UKHSA)も、英国と欧州の感染者には同性愛者や両性愛者の男性が相当数の割合で含まれているとしており、該当する人々に対し注意するよう呼びかけている。

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