最後の「さけつかみどり」 糸魚川市能生川河口 遡上減少・不漁が影響

 糸魚川市の能生川河口付近のヤナ場で12日から23日まで、秋の名物イベント「さけつかみどり体験」が開かれている。サケの不漁が続いているため、つかみ捕りの実施は今年で最後となる。

能生川では今年が最後となるサケの「つかみどり」。大きなサケを捕まえて笑顔の児童

 同イベントは2018、19年と2年連続でサケの遡上(そじょう)減少・不漁の影響を受けている。20、21年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止になった。
 久々に復活した今年は感染防止の観点から規模を縮小し、「大会」から「体験」に名称を変更。土・日・祝日は30人、平日は10人までの事前予約制にした。
 サケの増殖事業を行っている能生内水面漁業協同組合(齋藤雄司組合長)によると、漁獲減が経営を圧迫する要因になりかねず、サケを捕獲するためのヤナ場の撤去を決定した。次年度から投網での適量捕獲に切り替えるため、つかみ捕りができなくなる。
 齋藤組合長は「本当は続けたいが、3、4年と不漁が続き、経費節減などもやっていかなくてはいけない。増殖事業などはしっかり続けていく」と話した。
◇土・日・祝日予約ほぼ満員
 同組合は、過去の参加者に「今年が最後」を知らせる案内・お礼のはがきを郵送した。土・日・祝日の予約はほぼ満員となっている。
 初日の12日午前に参加した千葉県柏市の親子3人は、インターネットで知り初めて糸魚川に来訪した。小学4年の長女(10)は「少し大変だったけど、楽しく格闘できた」と笑顔。父親(51)は「最後だと知って、子どもに挑戦させたかった」、母親(44)は「スタッフの方のサポートもあり、思ったよりもちゃんとできた」と話し、わが子の頑張りに目を細めた。
 参加費は1人5000円(捕まえたサケ1本、イクラ1パック付き)。申し込み、問い合わせは同組合(電兼ファクス025・566・4854)へ。

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