中原中也詩の栞
No.21「寒い夜の自我像」(詩集『山羊の歌』より)
きらびやかでもないけれどこの一本の手綱をはなさずこの陰暗の地域を過ぎる!その志明らかなれば冬の夜を我...
サンデー山口
No.20 「(秋が来た)」(生前未発表詩)
秋が来た。また公園の竝木路は、すつかり落葉で蔽はれて、その上に、わびしい黄色い夕陽は落ちる。それは泣...
サンデー山口
No.19 「野卑時代」(生前未発表詩)
星は綺麗と、誰でも云ふが、それは大概、ウソでせう星を見る時、人はガツカリ自分の卑少を、思ひ出すのだ星...
サンデー山口
No.18 「詩人は辛い」(『四季』昭和10年11月号)
私はもう歌なぞ歌はない誰が歌なぞ歌ふものか みんな歌なぞ聴いてはゐない聴いてるやうなふりだけはする ...
サンデー山口
No.17「少年時 詩集『山羊の歌』より」
黝い石に夏の日が照りつけ、庭の地面が、朱色に睡つてゐた。地平の果に蒸気が立つて、世の亡ぶ、兆のやうだ...
サンデー山口
No.12 「早春散歩」(生前未発表詩)
空は晴れてても、建物には蔭があるよ、春、早春は心なびかせ、それがまるで薄絹ででもあるやうにハンケチで...
サンデー山口
No.10 「坊や」(生前未発表詩)
山に清水が流れるやうにその陽の照つた山の上の硬い粘土の小さな溝を山に清水が流れるやうに 何も解せぬ僕...
サンデー山口
No.8 「カフヱーにて」(生前未発表詩)
酔客の、さわがしさのなか、ギタアルのレコード鳴つて、今晩も、わたしはここで、ちびちびと、飲み更かしま...
サンデー山口
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