石木ダム建設予定地 長崎県がフェンスの一部撤去 住民側「手続き必要」と反発

県がイノシシよけフェンスを撤去し工事を進めている現場=川棚町川原地区

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業を巡り、県は1日、事業用地内の耕作地にあるイノシシよけフェンスの一部を撤去した。反対住民側は「手続きなしに進めることは許されない」と反発している。
 県石木ダム建設事務所によると、県道と付け替え県道をつなぐ迂回(うかい)路整備の一環。工事に支障のある40メートルを撤去した。
 このフェンスを巡り、住民側を支援する弁護士らは4月、土地と分離した動産であるとし「撤去できない」と主張する文書を県に送付。一方、県は5月、抗議で県庁を訪れた住民に対し、「コンクリートで土地に固定されている」ため撤去できるとしていた。
 同日、住民らは現場近くのテントに座り込み抗議。ある住民は「撤去には代執行の手続きが必要。『実行されれば、県との話し合いはできない』と県に伝えていたが、強行された」と反発。県石木ダム建設事務所は「これまでも撤去を求めており、工程通りに進めている」としている。

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