長崎空港-新大村で路線バス 空港線のルート変更へ 10月29日から運行予定

長崎空港(奥)と新大村駅(手前右)を結ぶバスの運行に向け市は西肥バスと調整を進めている=大村市池田2丁目から撮影

 長崎空港と西九州新幹線を結ぶ交通網の強化を図り、長崎県大村市は西肥バスの空港線ルートを新大村駅経由に変更する方向で同社と調整している。市は実証運行してきた乗り合いタクシー「かもめライナー」の利用実績を踏まえ、市内交通の利便性向上も見据える。
 「かもめライナー」は同駅と空港、大村インターチェンジ(IC)の3拠点を最大500円で結ぶ予約制タクシー。市によると、昨年9月の新幹線開業後、今年7月までに計4892人の利用があった。1日当たりの利用者数は平均15.7人。当初の見込みより多かったが、昨年9月(26.4人)をピークに減少傾向にある。
 約95%が同駅-空港間で乗車しており、大村ICの利用者はわずかだった。また、アンケートの結果「予約なしの定期運行にしてほしい」という意見が多かったため、路線バスの運行に切り替えることにした。
 空港と佐世保方面を結ぶ西肥バスの「(特急)長崎空港線」の運行ルートを新大村経由に変更。1日12往復24便で、運行開始は10月29日の予定。ルート変更で増加する所要時間に対応するため、大村-東彼杵間は高速道路を使い当面の通行料は市が負担する。
 市の担当者は「需要があれば空港-新大村間でのシャトルバス運行につながるかもしれない」と期待。市内北部やマンション開発が進む新大村地区と空港のアクセス向上が見込まれるとしている。
 かもめライナー利用者へのアンケートによると、利用者の出発地は▽大阪(伊丹・関西)▽東京▽武雄▽嬉野▽名古屋-、目的地は▽武雄▽東京▽嬉野▽佐賀▽大阪(伊丹・関西)-の順に多かった。ビジネスでの利用が6割を占め、大村市内で予定がある人はほとんどいなかった。

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