強打の遊撃手・マチャドが1対5の大型トレードでドジャースへ

2008年の夏、ドジャースはレッドソックスから「マニー」という名の強打者を獲得し、彼は加入後の53試合で打率.396、17本塁打、OPS1.232という猛打を見せてドジャースの逆転地区優勝に大きく貢献した。それから10年後、ドジャースは地区優勝、そして昨季惜しくも逃したワールドシリーズ制覇に向けて、再び「マニー」という名の強打者を獲得した。

日本時間7月19日、ドジャースとオリオールズはマニー・マチャドがオリオールズからドジャースへ移籍し、その対価としてオリオールズがドジャースからユスニエル・ディアス、ディーン・クレーマー、ザック・ポップ、ライラン・バノン、ブレイビック・バレーラの5選手を獲得するトレードが成立したことを発表した。マチャドは今季終了後にフリーエージェントとなるため、残り半年の「レンタル移籍」となる可能性が高いものの、前半戦に打率.315、24本塁打、65打点、OPS.963の好成績をマークした強打の遊撃手の加入は、正遊撃手のコリー・シーガーをトミー・ジョン手術で欠いているドジャースにとって大きな戦力アップとなるに違いない。

一方、オリオールズは生え抜きのスター選手であるマチャドを放出することにより、ドジャースから5人の若手有望株を獲得。なかでもディアスはMLB公式サイトのプロスペクト・ランキングでドジャース4位・全体84位にランクインしているトップ・プロスペクトであり、先日のフューチャーズ・ゲームでは2本塁打を放つ活躍を見せた。同ランキングではクレーマーがドジャース27位、バノンがドジャース28位にランクインしており、ポップもマイナーで好成績をマーク。また、バレーラは昨季カージナルスでメジャーデビューを果たし、今季はドジャースで20試合に出場している内野手だ。メジャーワースト2位の勝率.289に沈んでいるオリオールズは、マチャドを放出して将来に向けての有望株獲得に動いた形となった。なお、オリオールズが獲得した5選手の今季成績は以下のようになっている。

ディアス(21歳・外野手)
AA級 59試合 打率.314(220打数69安打) 6本塁打 30打点 8盗塁 OPS.905

クレーマー(22歳・右腕)
A+級 16試合(16先発) 5勝3敗0セーブ 防御率3.30 79回 114奪三振
AA級 1試合(1先発) 1勝0敗0セーブ 防御率0.00 7回 11奪三振

ポップ(21歳・右腕)
A級 11試合(0先発) 0勝2敗0セーブ 防御率2.20 16回1/3 24奪三振
A+級 19試合(0先発) 1勝0敗7セーブ 防御率0.33 27回 23奪三振

バノン(22歳・三塁手)
A+級 89試合 打率.296(338打数100安打) 20本塁打 61打点 4盗塁 OPS.961

バレーラ(26歳・二塁手)
MLB 20試合 打率.172(29打数5安打) 0本塁打 4打点 0盗塁 OPS.445
AAA級 56試合 打率.284(201打数57安打) 6本塁打 25打点 4盗塁 OPS.783

10年前のマニー・ラミレスのように、マチャドは「Vへの使者」となることができるのか。後半戦は「ドジャース・マチャド」に大きな注目が集まることになりそうだ。そして、メジャーリーグの「夏のトレード市場」はまだ始まったばかりである。

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